世界遺産用語集
このページでは、世界遺産に関する用語を説明します。
あ行 | アイユーシーエヌ(IUCN) | 国際自然保護連盟。正式名称はInternational(国際)Union(連盟)for Conservation(保護)of Nature and Natural Resources(自然遺産)という。 自然環境保全に関する非政府機関で、自然遺産の専門的評価、調査を行う。レッドデータブックを発行する。1948年設立。本部はスイスのグラン。 |
---|---|---|
イコモス(ICOMOS) | イコモス(国際記念物遺跡会議、International Council on Monuments and Sites;ICOMOS)は、1964年の記念物と遺産の保存に関する国際憲章(ヴェニス憲章)を受けて1965年に設立された国際的な非政府組織(NGO)で、人類の遺跡や建造物の保存を目的としている。 ユネスコをはじめとする国際機関と密接な関係を保ちながら、文化遺産保護・保存の理論、方法論、科学技術の研究・応用、およびユネスコの世界遺産条約に関しては、諮問機関として、登録の審査、モニタリングの活動等を行っている。 |
|
遺跡 | 遺跡とは、過去の人々の生活の痕跡がまとまって面的に残存しているもの、および工作物、建築物、土木構造物の単体の痕跡、施設の痕跡、もしくはそれらが集まって一体になっているものを指している。内容からみれば、お互いに関連しあう遺構の集合、遺構とそれにともなう遺物が一体となって過去の痕跡として残存しているものを指す。 | |
オーセンティシティ | 「真正性、真実性、確かなこと」を意味する。主に建造物や遺跡などの文化遺産が持つ本物の芸術的、歴史的な価値のことをいう。 |
か行 | 完全性 | 自然遺産及び/又は文化遺産とそれらの特質のすべてが無傷で包含されている度合いを測るためのものさしである。従って、完全性の条件を調べるためには、当該資産が以下の条件をどの程度満たしているかを評価する必要がある。 a) 顕著な普遍的価値が発揮されるのに必要な要素がすべて含まれているか。 b) 当該資産の重要性を示す特徴を不足なく代表するために適切な大きさが確保されているか。 c) 開発及び/又は管理放棄による負の影響を受けているか。 |
---|---|---|
危機遺産 | 正式名称危機にさらされている世界遺産は、ユネスコの世界遺産登録物件のうち、その物件の世界遺産としての意義を揺るがすような何らかの脅威にさらされている、もしくはその恐れがある物件のことをいう。 | |
記念工作物 | 建築物、記念的意義を有する彫刻・絵画、考古学的な性質の物件・構造物などで、歴史・芸術・学術において普遍的価値をもつもの。 | |
建造物群 | 独立した(または連続した)建造物の群で、その建築様式・均質性・景観内の位置から、歴史・芸術・学術において普遍的価値をもつもの。 | |
コアゾーン(核心地域) | 資産を効果的に保護するために設定された境界線のことをいう。境界線の設定は、資産の顕著な普遍的価値及び完全性、真正性が十分に表現されることを保証するように行われなければならない。 |
さ行 | 自然遺産 | 鑑賞上、学術上、保存上顕著な普遍的価値をもつ地形・生物・景観などを含む地域のことを指す。 |
---|---|---|
シリアル・ノミネーション | 複数の連続性のある資産の推薦のことをいう。連続性のある資産について、「世界遺産条約履行のための作業指針」に次のように定められている。 1.同一の歴史・文化群 2.地理区分を特徴づける同種の資産 3.同じ地質学的、地形学的形成物、又は同じ生物地理区分若しくは同種の生態系に属する関連した構成要素 が、個々の部分ではそうでなくとも、 全体として顕著な普遍的価値を有するものである。ひとつの締約国の領域内に全体が位置する場合もあれば(連続性のある資産 )、異なる締約国の領域にまたがる場合もある(連続性のある国境を越える資産 )。 |
|
真正性 |
文化遺産の種類、その文化的文脈によって一様ではないが、資産の文化的価値(登録推薦の根拠として提示される価値基準)が、下に示すような多様な属性における表現において真実かつ信用性を有する場合に、真正性の条件を満たしていると考えられ得る。
・形状、意匠 ・材料、材質 ・用途、機能 ・伝統、技能、管理体制 ・位置、セッティング ・言語その他の無形遺産 ・精神、感性 ・その他の内部要素、外部要素 |
|
世界遺産委員会 | 世界遺産条約に基づき設置される委員会で、毎年7月頃に開催される。委員国は、締約国の中から選出された21か国で構成され、その任期は6年間で、公平性を確保するため持ち回りにより機会が均等に与えられるようになっている。 委員会では、締約国から推薦された世界遺産地域登録候補地が世界遺産としての価値を有し、相応しいか否かについて審査し、世界遺産リストへの登録を決定する。 |
|
世界遺産暫定リスト | 世界遺産は毎年7月ごろに開かれるユネスコの世界遺産委員会で登録される。その前段階として、各国は登録を目指す遺産を暫定リストに載せる必要がある。暫定リストに掲載されても、世界遺産に登録されるまで数年かかる。 | |
世界遺産条約 | 世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約のこと。世界的に際だって優れた価値を有する 建造物、遺跡等の文化資産や脅威にさらされている動植物の生息地・自生地、地球の地質学的進化、 生物の進化を現している地域等の自然環境を人類共有の貴重な遺産として国際的な協力、援助の下に 保護していくことを目的に1972年のパリで開催された第17回ユネスコ総会において採択された条約で、 日本は、1992年6月30日に受諾書を提出し、125番目の締結国(2012年3月現在 189ヶ国)となった。 |
た行 |
---|
な行 |
---|
は行 | バッファゾーン(緩衝地帯) | 資産の効果的な保護を目的として、資産を取り囲む地域に、法的又は慣習的手法により補完的な利用・開発規制を敷くことにより設けられるもう一つの保護の網である。 |
---|---|---|
複合遺産 | 文化遺産及び自然遺産の両方に登録されている遺産のこと。 | |
負の遺産 | 人類が犯した二度と繰り返してはならない悲劇の証拠ともいうべきものとして世界遺産に登録 された遺産のこと。 | |
文化遺産 | 普遍的な価値を有している、記念工作物、建造物群、遺跡をさす。 | |
文化的景観 | 文化遺産のひとつ。自然と人間の営みによって形成された景観のことをいう。具体的には、庭園や田園風景、あるいは信仰の対象となった自然景観などで、そこに映し出される歴史的、文化的価値の全てを遺産として評価するという考え方。 「人と自然の共同作品」とも呼ばれる。 |
|
保存管理計画 | 世界遺産の推薦書に資料として添付するものであり、遺産を適切に保存管理し、後世に継承する ための方針、手法等を示すものである。 資産の保全を図るべき周辺環境の範囲及びその保全手法、開発・観光等の側面から将来的に想定 される資産への負の影響の防止対策、適切な公開・活用等の方針、保存管理体制のあり方等について 示すことが求められる。 |
ま行 |
---|
や行 | ユネスコ(UNESCO) | 国際連合教育科学文化機関のことをさす。正式名称は United Nations(国連)Educational(教育の)、Scientific(科学の) and Cultural(文化の) Organization(機関)という。 名前のとおり、教育・科学・文化の側面において、国際協力を進めながら世界平和を実現していく機関である。 |
---|
ら行 | ラウンドトリップ | 往復旅行のこと。航空運賃規則上の定義としては 運賃計算上、往路と復路の運賃が同じで、出発地に戻る旅程。 |
---|
わ行 | ワンワールド | ワンワールドは航空会社アライアンスのひとつ。日本航空が加盟しています。 |
---|